僕の行ったライブのレポをひたすら上げて行きます。
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【ディスクレビュー】 失敗しない生き方 「常夜灯」
2014-02-19 Wed 22:29
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○照れ屋さんの初期衝動



グッドメロディ!この盤を掛けた瞬間の第一印象がそれでした。トラック1「海を見に行こうよ」のざらっとしたアコギの音と、ポップなピアノのバッキングが素晴らしい。アルバム全体として、70年代後期の、シュガーベイブあたりのシティポップの空気をまとっていて、非常にセンスのいいポップソングの創り手だなあと思います。ボーカルの蛭田桃子ちゃんの不安定な歌唱も、ひとが言うほど下手ってわけじゃないですし、あくまでも個性の範疇といえるレベルです。

ただ、そんな第一印象で許してくれるほどには一筋縄でいかないのがこのバンドの曲者たる所以です。さらっといい気持ちで聴いているのに、突然崩壊を始めてしまうトラック4「私の街」、フリージャズと無彩色のポエトリーリーディングがごちゃまぜになったようなトラック5「煙たい部屋で」、そしてのっけからひたすらフリーキーに荒れ狂うタイトルトラックの「常夜灯」とか、もの凄い変な曲がアルバムのあちこちにどっかりのさばっていたりします。とにかく素直じゃない。それはなんだか、せっかく綺麗に出来上がったかなと思った瞬間、完成寸前でぐちゃぐちゃに崩してしまう、ちっちゃい子供の砂場遊びのようです。一種の照れ隠しに包まれた初期衝動なのかなあ。

公式サイトで自分たちのプロファイルをこんな風な自虐的な表現にしてしまうのも、どうしようもなく照れ隠しっぽいじゃないですか。

「適当に住環境の良い三鷹周辺でヌクヌクと生まれ育ったヌルめの若人たちが、どうしようもない暇をつぶす為だけ一時的に結成された、コンビニエント・サバーブ・ポップ・グループ:失敗しない生き方。」

たぶん、一つのスタイルや特定のフォーマットに自分たちを当てはめたくないのかもしれません。彼らには、ドラクエで言うところのパルプンテの魔法がかかっているのです。何が起こるかは分からないけど、何かが起こりそう。そんなワクワク感がこのバンドにはあります。きっとこの1枚だけでは終わらない、それだけは確信を持って言えます。次は何を見せてくれるんだろう?


レーベル:VYBE MUSIC
品番:VBCD-0068
発売日:2014年1月22日


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【ディスクレビュー】 Lamp 「ゆめ」
2014-02-18 Tue 22:00
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○音楽的進化の極北


今回のこのアルバム「ゆめ」を聴いて、バンドの音楽的進化を指摘するリスナーも多いと思うのですが、基本的にこのバンドはデビュー当時から極めて高い音楽性を発揮していたのです。そして、デビュー時点のレベルがすでに高かったが故に、ある意味、このアルバムをさらっと聴いたとしても、その進化の変わり目にはおそらくほとんど気づくことはできないのではないかと思えるほどです。

目まぐるしく予測がつかないミラクルなコード進行と、ブラジル音楽とシティポップと70年代フォークとAORを一緒にしたような、心地よいポップサウンド。それが高いレベルで同居しているのは、このバンドならではです。永井くんの素直で美しいボーカルと、榊原香保里さんのはかなげなウィスパーボイス。今回、トラック3「ため息の行方」のBメロパートにゲストボーカリストとしてSSWの新川忠さんを迎えたり、早耳の音楽好きの注目を集めている北原みなみさんが冒頭3曲のアレンジャーとして参加していたり、と新しい試みも行われていますが、それがLampがもつ音楽性や世界観を変えたのかといえば全くそうではなく、むしろ、彼らがもつLampらしさの輪郭を際立たせ、より洗練させただけ。つまり、本質において、彼らの音楽性はこれまでの作品と、何ら変わっていないのです。何度聴いても、僕にはそのように感じるのです。

こうした非常に良質な音楽が浮き沈みの激しいマーケットの一角に生き永らえているのは嬉しいことです。ただ、個人的には、永井くんボーカルには万人に差さる普遍的な魅力があると思えるのに対し、榊原さんのウィスパーボイスの魅力はかなり聴く人を選ぶのかなあと思ったりします。彼女の歌声が、ウィスパーボイスじゃなくて、豊かな声量と芯のある伸びやかな高音を兼ね備えたものであれば、バンドとしてはさらに普遍的な人気を獲得できるかなあ、と想像する反面、しかしそんなバンドはもはやLampとは言えなくなる気もしますし。やっぱり今のまま、知る人ぞ知るニッチなグッドユニットとしてこのまま細く長く僕たちを喜ばせ続けてくれるほうがいいのかも知れません。


レーベル: P.S.C.
品番:UVCA-3019
発売日:2014年2月5日


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【ディスクレビュー】 一十三十一 「Snowbank Social Club」
2014-02-17 Mon 21:28
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○バブル期の空気がよみがえる


このアルバムについて、「映画『私をスキーに連れてって』の世界観を再現したかった」という趣旨のことを一十三十一ちゃんが何かのインタビューで言っていましたが、まさにそんな盤です。もう、まるっきり、1990年前後の空気そのままで、その一点においてひたすら驚異的です。

打ち込みバリバリ、ドラムマシーンの4つ打ちサウンドにキラキラのシンセアレンジ、しかもJ-POPの王道をゆく、ポップセンスあふれる楽曲の数々。一十三十一ちゃんの、アクの少ない、素直で伸びやかな歌声が、こういう楽曲にはまたぴったり合いますね。全盛期の杏里とか今井美樹が30年近い時を経て突然現代に甦ってきたような、そんな錯覚を覚えます。サウンドロゴ的なトラック1に続く、この盤の実質的なリードトラック「Catch Me in the Snow ~銀世界でつかまえて~」のイントロが流れ始めただけでもう、何とも言えないノスタルジアが津波のように押し寄せてきます。今の若い人にもこういう音が差さるのかは個人的に非常に興味があるところです。

こういう、バブル期の空気をまとったアッパーでポップでキャッチーな楽曲が世に絶えて久しいので、僕のような40歳代まっただ中のリスナーがいま聴くと、懐かしさと新鮮さと甘酸っぱさが混ぜこぜになったような不思議な感情が、必ず、湧き上がってくるはずです。そこのアナタ、スキー場での行きずりの恋なんてのも、ありましたよねえ?この盤を聴いていると、あの時のあの子、いまどうしてるかなあ、とか、どうでもいいような昔の思い出が蘇ってきて、ついどっぷりと浸ってしまいますね。なんだか、この盤を持って、車でスキーに行きたくなってきました。

あと、音とは全然関係ありませんが、この盤のジャケ写、一十三十一ちゃんは、顔がエロ過ぎますね。素晴らしいです。


レーベル:Billboard Records
品番: HBRJ-1011
発売日:2014年1月29日

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【ディスクレビュー】 Kan Sano 「2.0.1.1.」
2014-02-16 Sun 22:24
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○ヒューマンな暖かさを湛えたクラブ盤


Kan Sano名義の活動は言うまでもなくビートメイカーとしてのそれで、前作「Fantastic Farewell」はビートトラック満載の思いっきりクラブ寄りに振られたカッコいい盤ですが、それと並行して彼が佐野観名義で行っているピアノ独奏者としての活動もまた特筆すべきです。ライブ会場限定販売の自主制作盤「佐野観 ピアノ作品集」の楽曲群に顕著に見られるのですが、彼のピアノは、透明で静か、それでいて芯のある美しさを感じるのです。

今作「2.0.1.1」は、そんな彼の、まるでベクトルが異なるかのようなこれまでの音楽活動を、一つに統合・総括した、一種の集大成的なアルバムになっています。

ビートやグルーヴもしっかり効いていて、フロアに持って行っても映えますが、それだけでなく、客演ボーカル陣を得て、より人肌の暖かさを帯びた、穏やかな美しさを持った盤に仕上がっています。ベニー・シングス、マヤハッチ、そしてマーテルのシャレオツボーカルも素敵ですが、Monday満ちるをフィーチャーした「Here and Now」が美しく力強くて素晴らしい。そして何よりも、長谷川健一さんをフィーチャーした「みらいのことば」が、とにかくヒューマンで、沁みます。Kan Sanoさんが、音楽を通じていま最も何を表現したいと考えているか、このラストトラックが何よりも雄弁に物語っている気がします。

多彩な才能が1つに結集した素敵なクラブ盤で、流行り廃りに関係なく、長く聴き続けられそうな、そんなアルバムです。

買って良かった!


レーベル:origami
品番: OPCA-1026
発売日:2014年2月5日

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【ディスクレビュー】 ホッタモモ 「アインシュタインとわたしのはちみつ」
2014-01-20 Mon 20:17
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○歌の世界に引きずり込まれる

今回からブログの賑やかしも兼ねて、僕が買った新譜のレビューもしていこうと思います。第1回はホッタモモちゃんの「アインシュタインとわたしのはちみつ」。年初からいきなりいい盤に出会いました。

ガットギターと声の力だけで紡がれる、閉じた日常の世界。そこには、やわらかい冬の日差しが降り注いで、そして、愛し合う二人しかいない、そんな情景が思い浮かびます。舌足らずで甘えたような可愛いモモちゃんの歌い回しのその合間から、時折、ダンッ!と鋭く切り裂くように、どこまでも伸びやかで透明なシャウトのフォルテシモが強襲してきます。そのたびにぐっと胸を掴まれてしまうんですよね。とにかくモモちゃんのこの声は凄いと思うなあ。張り上げた声には、女の情念とか切なさみたいなものも見えてきたりもして、歌の世界に引きずり込まれるとしか言いようがありません。ガットギターのリバーブの効いた響きも素晴らしい。いい意味での宅録感というか、ガットギターのナイロン弦の一本一本の軋みや、ギターのボディの震えまで生々しく聴こえるのがまたリアルでいいです。

ミニマルなギターフレーズに乗って色彩豊かに展開する歌の世界は、七尾旅人の最近の作風に通じるものを感じます。歌い回しは気だるく甘ったるい部分はCharaちゃんに似てますが、それだけじゃありませんよ!とにかく一度聴いてみてください。メロディへの歌詞の乗せ方というか、符割りも個性的な感じで面白いと思います。

紙ジャケ仕様で、ジャケットの裏にも表にもびっしりモモちゃんの手書きで曲名と歌詞が書いてあります。

最近、若くて才能のある、ギター弾き語りスタイルの若い女性SSWさんが次々と登場していますよね、青葉市子ちゃんしかり、平賀さち枝ちゃんしかり。平成生まれの人たち、ほんと凄いですね。目を離すと置いて行かれそう!


レーベル:dandanorchestra
品番:DAN-004
発売日:2014年1月15日


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