僕の行ったライブのレポをひたすら上げて行きます。
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2012/2/10 Signals/阿部芙蓉美 @ 渋谷・WWW
2012-02-16 Thu 01:01
120210_main_signals.jpg

この日はSignalsの2年ぶりのアルバム「Naked Fool」のレコ発ツアーのツアーファイナル。しかもゲストが阿部芙蓉美ちゃん、という、大変魅力的な組み合わせ。僕にとっては、どちらのアーティストも、初めてライブを観たのが昨年(2011年)であるというのも同じなら、今回が2度目のライブ参加というのも同じ、しかも初回ライブ参加時はお目当てが対バン相手の方だったのにこっちの方にやられちゃった、という事情も共通で、さらにはその初回ライブを観たのが両方とも「代官山・晴れたら空に豆まいて」だったのも同じ。その2アーティストが今日、同じステージに上がるという実に不思議な巡り合わせ!このライブに行かずしてどうするのよ。ということで、金曜の夜、仕事をなんとか18:20に切り上げて渋谷WWWに向かった。実は僕がWWWに来るのは今回が初めて。でも、スペイン坂を上り切ったところの、シネマライズの地下ということなので、場所も分かりやすく全く迷わなくて助かった。

僕の整理番号は7番だったが、会場に着いたのは開演予定時刻のギリギリ5分前。何しろオフィスを出たのが18:20前だったんだから仕方がない。階段を降りたところがすぐWWWの入口で、ドリンクチケット代わりの缶バッジを貰って、そのままフロアへ。フロアへ入ると結構人がたくさん入っていたが、キツキツに詰まっているというわけでもなく、かなりスペースには余裕があった感じ。後方から前方にかけて急傾斜で落ち込む6段構造の面白いハコで、以前映画館だった面影がよく残っている。面積はさほどではないが天井が高く開放感がある。フロアを1段上がるだけで視界が大幅に開けるので、これなら後ろの方にいても観やすいだろう。フロア入りした瞬間は、遅れて来たんだから後ろの方で見ようかな、と思ったのだが、各段の最前バーにはどこも客が陣取っていて入り込む隙間がなかった。ならば、とステージ最前の一番低い位置のフロアへ降りてみたら、これが意外と空いていて、こんなギリギリにフロア入りしたくせに、何とセンター最前2列目を確保!おかげでステージのすぐ近くで演奏を満喫することができた。

開演前のステージには、下手にグランドピアノ、センターにはアコギと椅子が、そして上手にドラムセット、と大変シンプルなセッティング。ステージ後方にはもう1つ別のドラムセットが置いてあって、まさか芙蓉美ちゃんツインドラムか?と、あり得ない想定もしたりしつつ開演を待った。ちなみにWWWは、地下なのに携帯の電波も良く入ったよ。

開演時刻の19:00を少し過ぎた19:11、ようやく客電が落ちて、まずは阿部芙蓉美ちゃんのセット。最初にサポートのピアノ江藤直子さんとドラムスの千住宗臣さんが登場。しばらくしてから最後に芙蓉美ちゃんが登場。まず1曲目は「開け放つ窓」から。温かみのあるスモーキーな芙蓉美ちゃんの歌声が素晴らしい。芙蓉美ちゃんのボーカルは、声量もさほどあるとは言えないし、力強いわけでもないし、いわゆる上手い歌では全然ないのに、それらを補って余りある雰囲気と肌触りがあって、ただならない説得力を備えている。芙蓉美ちゃんの歌声を聴いたとたんに、歌詞の情景がまざまざと目の前に浮かんできて、たちまち芙蓉美ちゃんの世界に引き込まれてしまう。

1曲やった後、「今日はSignalsのツアーファイナル、というとても大事なライブに、ゲストとしてステージに立ててとても嬉しいです」と挨拶MCをした後、2曲目からは淡々と新曲をやっていく展開。途中のMCで「かつてなく粛々とライブが進んでいます」的なことを芙蓉美ちゃんが言ってしまうぐらい、淡々とした進行。どの曲の終わり方も、ものすごくしっとり終わるので、完全に曲が終わって無音になるのを見計らって拍手をする感じになっちゃって、拍手のタイミングが難しかった(笑)。2曲目から3曲続けて新曲をやったが、新曲はどれも素敵な曲。バンドセットではあるが、ピアノとドラム、そして時々アコギという3ピース編成のシンプルで抑制された音が、いっそう芙蓉美ちゃんのボーカルの魅力を引き立てていた。

4曲終わったところのMCで「粛々とやってますが・・・ちょっとしっとりしてきたので、軽やかな曲を」と言った直後に、ぽつりと「暗いな。」と芙蓉美ちゃんがつぶやいたのが妙に観客に受けていた。芙蓉美ちゃん、照明のことを言ってたのに(笑)。で、その「軽やかな曲」である新曲の「highway, highway」が3拍子のしっとりした素敵な曲。ほとんどアコギの弾き語りに近いシンプルなアレンジでの演奏にグッと来た。歌詞に出てくる一人称の人物が男である曲が芙蓉美ちゃんには結構あるが、この曲もそんな曲。CD音源になるとたぶんアレンジがごてっと付いちゃうんだろうけど、この日ぐらいにシンプルな感じの音のぼうが僕は好きだな。

メンバー紹介を挟んだ後、まずライブ告知は2/24恵比寿LIQUIDROOMでACOとキセルと芙蓉美ちゃんでの対バン。これは行ってみたいなあ、無理そうだけど。そして、3/7に出る新譜(2ndアルバム「沈黙の恋人」)のリリース告知と、公式サイトのリニューアル告知。家へ帰ってから早速公式サイトを確認してみたが結構いい感じ。関係ありませんが、公式サイトのディスコグラフィを見ていてふと、1stアルバム「ブルーズ」のジャケ写の撮影場所が、丸の内の、三菱UFJ信託銀行本店ビルと当時まだ建設中の新丸ビルにはさまれた道であることに今ごろようやく気がついた(新丸ビルの前の歩道で、皇居側から東京駅方向に向かって撮っている)。芙蓉美ちゃんファンの間ではすでにこの場所、聖地なんだろうか(笑)。

最後に1曲、「青春と路地」をやって、芙蓉美ちゃんのセットは19:44終了。短いセットだったけど、久しぶりに芙蓉美ちゃんの声を聴けて満足。それにしても芙蓉美ちゃん、背が高いし、相変わらず脚は細くて綺麗だし、とても素敵だったな。


《阿部芙蓉美 セットリスト》

 1. 開け放つ窓
 2. いつかまた微笑みあえる日が来るまで(新曲)
 3. (新曲)
 4. cinema(新曲)
 5. highway, highway(新曲)
 6. 青春と路地

《サポートメンバー》

 江藤直子(Pf)
 千住宗臣(Dr)



芙蓉美ちゃんのセットが終わるといったん客電が点いて、ステージ上では直ちにセット転換が開始。グランドピアノも、上手のドラムセットもたちまち片付けられ、代わりにギターアンプとベースアンプ、それから上手奥にはコンガとジャンベがセットされた。ステージの床には所狭しとエフェクターのボードが置かれて、セッティングが大変そう。

20:10に再び客電が落ち、この日のメインアクトであるSignalsのステージがスタート。芙蓉美ちゃんのセットの時にも結構客が入っていたが、Signalsのセットになってまた一段と客が増えた。最初に、照井さん以外のメンバーがステージに順次登場した後、最後に照井さんが現れて、アコギを持ってフロント上手寄りの椅子に座った。ステージ上は下手端にCINEMA dub MONKSの曽我大穂くん、それから下手センター寄りには照井さんが椅子に着席して、それから上手センター寄りには先般正式にSignalsに加入したギターの名越さん、そして上手端はバイオリンの岡村美央ちゃん。昨年11月25日の在日ファンク@東京キネマ倶楽部でもストリングス隊の1人としてサポートに入っていたが、色んな所に出てるんだなあ。そして美央ちゃんのすぐ後方にはGOMA & JUNGLE RHYTHM SECTIONやOrquesta Nudge! Nudge!のメンバーとしてもおなじみのパーカッションの辻コースケさん。六本木SuperDeluxeでのOrquesta Nudge! Nudge!のマンスリーライブでいつも間近で見ているが、こうして他バンドのサポートに入っている辻さんを見るのは初めてで、とても新鮮。そしてセンター後方にはバンドの要である椎野さんがビシッとタイトなドラミングでバンドの音を統率する、という配置。

僕がSignalsのライブアクトを見るのは去年(2011年)4月のペトロールズとの対バンのとき以来だが、そのときは照井さん・椎野さんの2名に、サポートギターの辻剛さんが入るシンプルな3ピース編成だった(途中で曽我くんがゲスト参加してはいたが)。今日は出だしからバイオリンを入れた編成で、ある意味、ROVOの勝井祐二さんが在籍していたSignals結成当時の編成に戻ったかのよう。

まず1曲目は「Naked Fool」より「White Sunrise」でスタート。抑制された照井さんのアコギを、それ以上に抑制された椎野さんのドラムが淡々とサポートする。時折入ってくる美央ちゃんのバイオリンがまた抒情的な味わいを加えて、しびれるほどのカッコよさ。ステージ後方の白いスクリーンに映し出された、この日のために若者中心の映像チームが東京から北へ車を走らせて撮影してきたという北国の情景が、曲の情景とピタッとシンクロしてステージから一瞬も目が離せない。2曲目と3曲目は確かSignalsの音源にはない曲だったけど、これもどちらも抒情的で内省的な小品。寒々とした冬の曇り空がよく似合う寂しげな音がえぐるように胸に迫ってくる。照井さんのソロ音源「FLOAT」に入っている曲なのかも知れない。せっかく終演後物販で売っていたのに、買えばよかったなあ。

4曲目「Bugs Life」は僕が「Naked Fool」の中でも好きな楽曲の1つ。これまでの曲とはまた違って、陽だまりのような穏やかな表情をもつ佳曲でとてもいい感じ。それにしても思ったのは、Signalsのステージには鋭利な針が含まれている、ということ。ステージ上の6人のメンバーはアイコンタクトを交わすわけでもないし、淡々とそれぞれのパートを演奏しているように見えるのだが、すぐにそれは錯覚だと悟ることになる。ヒリヒリするような気迫がフロアの空気を張り詰めさせ、観客に極度の緊張感を強いる、スリリングなライブ。見る側も、遊び半分のいい加減な気持ちで臨むことは許されない。これはパフォーマーとオーディエンスの真剣勝負だなと思った。そのまま「Cross」「Wild Vacation」と、「Naked Fool」からの楽曲が次々に演奏されていくのはまさにレコ発ライブならでは。抒情的でフォーキーで、しみじみと素晴らしい。

ところが次の曲「Suicide Vacation」でステージのテイストが激変!照井さんがそれまで座っていた椅子をハケさせて立ち上がり、それまで持っていたアコギをエレキベースに持ち替えた。重いベースリフから曲は徐々に激しくなり、中盤に入ると名越さんの切り裂くようなギターソロが強烈!さらに後半に進むにつれ激しさを増し、椎野さんのドラムも辻さんのジャンベも美央ちゃんのバイオリンも全力で暴れ回る。クライマックスを迎えて曲が終わった瞬間、観客から大きな歓声と拍手が沸き起こった!それまでの緊張感が尋常でなかっただけに、一気に到来したこのカタルシスは凄かった。

一転して、それに続く「Slow Boat」では、抑制された照井さんの3連符のベースリフが再びフロアを静かな緊張感で支配する。そこに曽我くんのジャジーなフルートが入ってきてステージをスリリングに彩ったと思うと、間髪入れずに「Night Train」へ。落ち着いた入りから曽我くんの渋いブルースハープへ、さらにテンポアップする後半からは一転して激しくスリリングな展開。ラストで猛烈に激しくなって、ドラムを叩きまくる椎野さんの苦悶の表情がたまらなくカッコいい。さらに「Five」「Big Mouth」と激しい曲が2曲続く。この日のセット前半では見ることができなかったSignalsの激しい攻撃性が、圧倒的な演奏力とともにこれでもかと畳み掛けてくる。それまで大人しかったフロアも、この頃には頭を振りながら揺れる姿があちこちで目立つように。この日のライブで一番の盛り上がりを見せたのがこの2曲じゃないかな。

ここでようやく照井さんのMC。メンバー紹介の後、映像チームの紹介。それから、ライブ製作スタッフやローディさんといった裏方の人たち、Signalsメンバーへの感謝の言葉が。照井さんのMCは饒舌ではないが、そのおかげで却って「ありがとう」の言葉にいっそうの誠実さが感じられた。最後に、この日ライブを観に来た観客へも「あなたたちがいないと俺たちはアルバムも作れないしライブもできない。これからもよろしくお願いします」と感謝の言葉が。そして迎えた本編トリはなんと未発表の新曲。ギターの歪んだノイズの音から始まる疾走感のあるいい曲だった。Signalsは寡作というかリリース間隔が長めだから、新曲が今後どういう形で世に出るかはよくわからないが、気長に待とう。

本編21:56終了。アンコールの拍手に応えて、アンコールのステージには照井さんと美央ちゃんの2人だけが登場。アコギとバイオリンだけの小さな構成で、演った曲はたぶん2ndアルバム「the light, the shadow, and the satellite.」の収録曲「abel」じゃないかな。(自信がないが)。フロアは再び静かで落ち着いた雰囲気に。静と動とのコントラスト。静からスタートしたライブは、怒涛のような動を経て、再びアンコールで振り出しの静に戻った。ただそのアンコール曲の中にも動的な部分があって、そこにはまさにバンドの姿の縮図が見えるようだった。

終演22:04。抒情的という面では共通する2組のアーティストの対バンだったが、それぞれに独自の個性があって、それを一度に味わえる非常に貴重なライブだった。ただ残念なことは、どちらもまだ知る人ぞ知るといった知名度にとどまっているということ。こういういい音はもっと世に知られるべきだし、こういう音にセールスや動員が伴って来るようになればまだまだ日本の音楽界も捨てたもんじゃないなあと思えるんだけどな。
今後のライブも大変楽しみ。機会を見つけてまた行こうと思う。


《Signals セットリスト》

 1. White Sunrise 
 2. (不明)
 3. (不明)
 4. Bugs Life
 5. Cross
 6. Wild Horses
 7. Suicide Vacation
 8. Slow Boat 
 9. Night Train
 10. Five
 11. Big Mouth

 En. abel(たぶん)


《Signals》

 照井利幸 (Gt、Ba)
 椎野恭一 (Dr)
 名越由貴夫 (Gt)

《サポートメンバー》

 曽我大穂(CINEMA dub MONKS)(Fl,Harp,SE)
 辻コースケ(GOMA & JUNGLE RHYTHM SECTION、Orquesta Nudge! Nudge!) (Perc)
 岡村美央 (Vl)


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